smile

 今日はこちらを開設して初めてのニーサンデーです!
 せっかくなので、ちょこちょこと書いてみました。
 毎度のことながら、森永君が幸せそうです( ノД`)似たようなSSばかりあげてしまいますが、二人が幸せそうなので見逃してください。。
 色々書けるようになりたいなァ(´・_・`)

 以下、前回の記事に鍵付きでコメントを下さった方へのお返事になります。

   4月20日の記事にコメントを下さったお客様
  初めまして!いやいやいやいやいやいやいやただのスーパー小者野郎ですよ(゚д゚)!!
  勿体無いほどの評価を頂きましてありがとうございます。
  こんな感じで続けていきたいと思っていますので、これからも覗いて頂けると嬉しいです。
  今後とも宜しくお願いいたします。

 

 今回のお話は、笑顔っていーよね!っていうお話です(超ざっくり)。
  


 よろしくお願いいたします。










「巽先輩、これ見ました?!」

 宗一が学食から戻ると、助手の美春が興奮したようにスマホを見せてきた。
「これ!これって森永先輩ですよね?!」
 シンプルなネイルを施された指先で示す先には、見慣れた男の顔があった。
 髪を無造作に(見えるように)セットし、カメラ目線で柔和な笑みを浮かべている。
「もう一枚の方なんてモデル顔負けですよ!」
 そう言って次に見せてきた画像は全身を撮ったもので、濃いインディゴブルーのデニムに黒のVネック、チェックのシャツは緩く腰に巻いて片手の親指をデニムの尻ポケットに入れている。こちらは目線を斜め下に落としており、まるで何かの広告のように様になっている。
「きめぇ」
「そんなことないでしょう!」
「何かっこつけてんだコイツ。こんないつもの服装で」
 普段は腰巻なんてしてないくせに。
「森永先輩って顔はもちろんスタイルいいから、こういう定番のコーディネートでもハイクラスに見えちゃうというか!」
「定番も何も、まんま昨日の服装じゃねーか」
 確か昨日、森永は髪を切りにいったはずだった。さすがに帰宅したときに髪が短くなっていたのは気付いたが、こんなかっこつけた頭をしていたかは覚えていない。
「え?昨日は日曜日でしたけど、先輩たち学校に出てきてたんですか?」
 余計なところにもう一人の助手である田所が気付き、突っ込んでくる。
「ま、まぁな。ちょっと思いついたことがあったから検証したくて。ちょうど森永も空いてたらしいから呼び出した」
 嘘だ。昨日の宗一は久しぶりにゆっくりした休日を手に入れ、森永が美容室と買い物に出かけている間はリビングのソファーで読書と昼寝を満喫していた。
 来年からは自分たちの番かと青ざめている助手たちには構わず、宗一はさっさと実験の準備を始めた。
「で、でもさすが森永先輩、こうやって美容師さんがお店のブログに載せたくなるぐらいのイケメンだよな」
 顔色は青ざめたままでも手だけはしっかりと動かしながら、田所が呟く。
「うん、身近すぎてあまり感じないけど、こうやって客観的にみるととんでもなく高スペックな人だもんね」
 同じく青い顔をしながらも、美春が応える。
「さっきのアレ、美容室のブログなのか?」
 一人涼しい顔の宗一が、彼にしては珍しいことに助手たちの会話に加わる。
「そうなんですよ。多分森永先輩が行きつけの美容室なんでしょうけど、『今日来てくれたM君です!』ていう紹介文つきで載ってまして。そこの美容室に通っている私の友達がこの記事見つけて、すぐ連絡くれたんです」
 そのコ、森永先輩のファンだから大興奮してましたー、と美春が笑顔で一言添える。
 あぁ、森永先輩モテるもんな、と田所も頷く。
「ふーん」
「この笑顔の一枚なんてもう!森永先輩のファンならお宝画像ですよコレは」
「美春さん的にも?」
「うーん、森永先輩はあたしのタイプとはちょっと違うからなぁ。もちろん尊敬はしてるけど」
 二人とも無駄口を叩きながらも手元はしっかり動かしているので、実験の準備は滞りなく進められる。この辺りは各人の優秀さはもちろん、森永の教育の賜物だろう。

「……あんな作り笑いの何がお宝画像なんだか」

 宗一が無意識にボソリとこぼした言葉は、丁度助手たちの会話の継ぎ目に落ちた。
「え?」
「どういうことですか?そんな不自然な笑顔にみえませんでしたけど……」
 宗一としては誰に聞かせるわけでもなかった独り言だったので、聞き返されて少々口籠ってしまった。
「どういうことって……」


「遅くなりましたー!」


 ガラガラッと出入口の引戸が開かれ、話題の主が入ってきた。
「鈴木教授に捕まっちゃいまして……次のご指名は先輩ですよ。ちょっと来てくれないかって言付かりました」
 思わずその場にいた森永以外の3人が顔を見合わせる。
 研究室内に漂う微妙な空気に気付かず、トコトコと寄ってきた森永が
「あれ、どうしました?」
「――なんでもねぇよ」
 そう言い残し、宗一はその場を離れた。
 助手たちへの指示は森永がやってくれるだろう。
 
 すれ違いざまに見た森永の髪は、画像よりは控え目であったが適度に毛先をまとめて束が作られている。
 なんとなく、ムカついた。



 宗一が研究室に戻ると森永の姿はなかった。助手たちの話によると、今度は福島教授に呼ばれたらしい。
 結局今日の実験のノルマが終わるまでに戻ってこなかったので、メールをして先に帰宅することにした。



「ただいま~」
「おう、お帰り」
 結局森永が帰ってきたのは、宗一が帰宅してから30分程たってからのことだった。
「すぐご飯の用意しますね」
 と、一旦キッチンに入っていった森永だったが、またすぐリビングに出てきた。
「先輩、お米セットしてくれたんだ!ありがとうございます」
「いや、俺ができるのはそれぐらいだし」
 読んでいた本から視線を外し、近づいてきた男に目を向ける。
 相変わらず髪はセットされたままで、研究室でみたときから崩れはない。
 なんで朝家を出るときに気付かなかったのだろう。――やっぱりなんかムカつく。

 そんな宗一の心境に気付くはずもなく、森永が宗一の隣に座る。
「ね、先輩、美容室のブログ見たんだって?」
 美春たちが喋ったのか。
「それがどうした」
「あの画像みて、俺が作り笑いしてるっていったんでしょ?」
「……だからなんだ」
 話の展開が読めず、思いっきり眉間にシワを寄せて宗一が答える。

 すると、森永が一気に破顔した。
 
 蕩けそうな笑顔で、宗一をみつめる。

「さすがです、先輩」
「……は?は?!何がだよっ!!」
 急に緩みきった笑顔を向けられた宗一はびっくりするやら気恥ずかしいやらで、自分の顔に熱が集中するのがわかった。――コイツなんてだらしねぇ顔してんだよ!

 宗一の心がトンデモナイことになっているのがわかっているのかいないのか、最高に甘い顔の森永が、

「俺が本当の笑顔見せるのは先輩だけですもん。カメラなんて向けられても先輩に向けるような笑顔が出るわけないじゃないですか。そりゃ作り笑いになりますよ」

 そういって、更に微笑む。
 もう宗一はいっぱいいっぱいだ。

「俺が心からの笑顔を向けるのは先輩だけです。だから、俺の本当の笑顔は先輩しか知らないんです」

 ね、と小首を傾げる男の笑顔にこれ以上耐え切れる余裕がなく、咄嗟にセットされた髪の毛に両手を伸ばした。
 

 そしてグシャグシャに引っ掻き回してやった。
 

「?!?!」
 さすがに森永は笑みを引っ込め、もとより大きな瞳をまん丸にした。
 その驚いた顔に溜飲が下がったものの、ワックスのせいで少し指がベタベタする。なので躊躇することなく森永のカットソーで指先を拭ってやった。
「ちょっとちょっと」
「……お前、大学に行くだけなのに何髪セットしてんだよ。馬鹿じゃねーの」
 自分でも理不尽なことを言ってる自覚はあるので、小さな声で毒づいた。そりゃあ寝癖だの何だので髪が跳ねていたら、見苦しくない程度に髪を整えることは決しておかしいことではない。寧ろマナーだ。きっと森永も寝癖がついたとかでワックスを使った口だろう。
「いや、昨日短くしたからか変な寝癖がついちゃって……」
 ほら、やっぱり。
「……ブログにあげられたからって調子にのんじゃねーぞ。てかどこにアピールしたいんだよ」
 我ながら何のいちゃもんだと思うが、口に出さずにはいられなかった。
 顔を思い切り背け、そう呟いた。

 急に宗一からキレられてポカンとしていた森永だったが、最後の呟きを耳にして一転、くしゃっと相好を崩す。
「もう先輩ったら……」
「んだよ」
「俺が先輩以外の人間にアピールすると思う?どれだけ俺が先輩に眩んでるか知ってるでしょ?」
「はぁあ?!?!」
 また頬に熱が集中するのがわかった。顔が、熱い。

 森永が宗一の頬に片手を添えた。

「俺は先輩しか見てませんよ」

 その顔に浮かんでいるのは――悔しいけど宗一の好きな笑顔で。
 間近でそんな顔を見せられて狼狽えてしまい、余計なことを口走る。

「で、でも、お前のファンからすればアレはお宝画像だってっ!」

「え?」

「何やってんだよ馬鹿!」


 もう宗一は自分が何を言っているのかわからなくなっていた。
 冷静に発言を分析すれば、それはただの嫉妬にしか聞こえないのに。


「~~~~ッ、もうっ!!!!」

 急に森永が宗一を抱きしめてきた。何すんだ馬鹿離せボケと宗一が暴れるも、ぎゅうぎゅうに締め付けて、離さない。
「大好き大好き、もう本当~~に大好き。大好きですよ、先輩」
「うるせぇ離せこの色惚け野郎!変態!」
 激しい攻防が繰り広げられるも結局は宗一の体力負けで、森永に抱きしめられたまま荒い息を繰り返す。
「先輩が嫌なら、俺の記事は削除してもらうように店長に言いますね」
「べ、別に嫌なわけじゃねーし……」
 ぜいぜいと肩で息をしながら宗一が言う。
 何が嬉しいのか、森永の口から擽ったそうな笑いがこぼれた。その一瞬の隙をついて、森永の腕の中から脱出する。身体を離してギロリと睨みつけるが、森永は相変わらず満面の笑みで。
「本当に、俺がこんな顔見せるのは先輩だけなんですからね」
「……余所でそんな締りのねぇ顔を晒されたら周りが迷惑なんだよ」
 これ以上森永の笑顔にあてられていると更にいらぬ発言をしそうだったので、さっさとこの場を立ち去ることに決めた。
 コイツが飯の準備をしている間、風呂にでも入って落ち着かなければ。
 自室へと足を向けた宗一に、森永が声をかける。
「先輩」
「んだよ」
 呼ばれて振りむくと、まだソファーに座ったままの森永が幸せそうに微笑みながら
「大好きですよ」
「~~!!わかってる!!」
 そう怒鳴りつけて、自室のドアを勢いよく閉めた。


 もう、しつこい!あの馬鹿!
 わかってるっつーの!



 また墓穴を掘ってしまったことには気付かず、甚だ不本意ながらも自分が森永の笑顔に弱いことを徹底的に痛感した宗一だった。




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