君に(を)愛ス

 やってきました大型連休!最長で10日間お休みの方もいるとか。
 そんなに休んだら社会復帰できないんじゃね?と他人事ながら心配になります((´・ω・`;))
 
 
 今回のお話は、某サーティ◯ンの31%オフキャンペーンをみて思いつきました。
 自分で書いておいてアレですが、作中の店員さんが羨ましすぎてなりません。
 
 あとタイトルですが、今後同じような形式のお話を書くと思うので、そのときに変更するかもしれません。
 タイトル考えるの超苦手です( ノД`) 



 ではでは、よろしくお願いいたします。








「うわ、すげーな。何種類あんだよ」

「お店の名前通り、31種類あるんですよー。さ、選んでいきましょう!まず松田さんの分」

「あー俺全くわからんからお前に任す」

「わっかりましたー。え~とじゃあ……抹茶とオレオでどうでしょう?」

「どうでしょうも何も俺には検討もつかん。うまけりゃそれでいいだろう」

「美味しいんですよ、この組み合わせ。じゃあ松田さんはこれでいきましょう。かなこちゃんは……あ、この新作可愛くないですか?」

「え、アイスにグミ?どうなんだそれ。つかアイスに可愛さを求めんじゃねーよ」

「でもほら、6つの味の違うクマのグミが入ってるそうですよ。女の子が好きそうじゃないですか。じゃあかなこちゃんはコレと、キャラメルのやつで!うん、可愛い☆」

「(……馬鹿と違うか、コイツ)」

「先輩はどれがいいですか?」

「俺は――バニラ、ぐらいしかわからん。むしろ俺の分はいらねぇんだけど」

「えーーーせっかくなんだから食べましょうよ!だって31%オフなんですよ?!勿体ない!31パーですよ?!」

「(たまにコイツは主婦みたいなことを言い出すんだよな……)わーったよ、じゃあお前が選べ」

「え、いいんですか?」

「そのかわり、どうせ俺は食べきれねぇだろうから残りはお前が処理しろよ」

「はい!先輩の後始末は俺の役目ですから任せてください!」

「?お、おう(なんでこんなに目の色変えてるんだ?)」

「じゃあ、1つはバニラにしましょうね、王道で。もう一つはさっぱり目がいい?」

「そうだな……あ、これはどんなヤツなんだ?なんか果肉が入ってるみてぇだけど」

「あぁ、これはアメリカンチェリーの果肉が入ってるんですよ。そうだな、これだったら甘くてもスッキリしてるかも」

「要はさくらんぼのアイスなんだろ?じゃあそれでいいよ」

「!は、はいっ!(……先輩がさくらんぼ!先輩のさくらんぼ……!)」

「お前顔赤いぞ?大丈夫か?」

「(ヤバい、軽く興奮してしまった)え、えぇ。大丈夫です」

「お前は決まってるのか?」

「えっと俺は、このラズベリーソースのと、シーズンフレーバーのこれで」

「……全く味の予想がつかん。つーかこのネーミングって――」

「そう、直訳すると“恋の媚薬”、もう一つのチョコのはイタリア語で“甘い生活”って意味で―――――ッ!?!??!」

「あ、すみません、これお願いします」

「……ちょっ、せんぱいっ!!!脛は!!!脛は地味に痛いから!!!」

「はい、かしこまりましたー♪(このバカップルども見せつけてんじゃねぇよもっとやれ)」




 今日は兄さんたちが遊びに来てくれるっていうから、豊富なフレーバーを揃えるお店のアイスをおねだりした。自分のお小遣いで買うには少々お高いので、お土産でおねだりするには最適だ。しかも今31%オフみたいだし。

「わぁ~かなこのアイス可愛い!クマのグミが入っている!」
「でしょう?喜んでくれると思ったんだー。選んで良かった」
 そういって微笑むイケメンは、宗一兄さんと同居している森永さん。乱暴者で変わり者と悪評高い兄さんのどこがいいのか、ときにこっちが恥ずかしくなるほど一途に兄さんを想ってくれている。
「アイスに可愛さは関係ねーだろうが」
 ぶつぶつ言いながら兄さんが口に運んでいるのは、なにか赤い果肉が入ったアイス。
「兄さんのは何?」
「なんとかチェリー」
「かなこも食べたいなー」
 そう言って「あーん」と口を開けると、仕方ねぇな、って顔して兄さんがテーブル越しにスプーンを差し出してくれた。
「ほら」
「ん」
 パクリとくわえると、口の中に甘酸っぱい味が広がった。
「おいし~!」
 目を真ん丸にして美味しさを表現すると、兄さんがくしゃりと笑う。兄さんの笑顔は滅多に見れないのでこれは貴重だ。チラリと森永さんを見ると、笑顔の兄さんをこれまた幸せそうな笑顔で見つめてる。本当に大好きなんだなぁ。
 
 と、廊下の方で電話が鳴ったので、この場をニコニコ見つめていた松田さんが居間を出て行く。松田さんのアイスは抹茶とオレオのコンビでこれも美味しそう。あとで味見させてもらわなきゃ。
「森永さんのアイスは何?」
「俺のはこれ」
 そういって、カップを差し出してくれた。中には美味しそうなホワイトとチョコ色のアイスが2種。
「食べてみる?」
「うん!」
 いっぱいとってねと言われたので、遠慮なく大きく掬わせてもらう。森永さんは兄さんと違って甘いモノが大好きな人なので、チョイスしたアイスも飛び切り甘くて美味しかった。
「ん~幸せー!」
「ね。美味しくて幸せだよね」
 アイスよりも甘い笑顔の森永さんがいう。ホント、この笑顔が毎日兄さんに向けられていると思うと、妹として世の中の女性たちに申し訳ない気持ちになってくる。

 二人でキャッキャしていたら、一人蚊帳の外だった兄さんが
「なんだよ、そんなにうまいのか」
「えぇ、美味しいですよ。一口だけでも食べてみません?」
「ん、食う」
 森永さんがどうぞと一口分を掬ってスプーンを差し出した。その角度的に、きっと森永さんは兄さんがスプーンを受け取って自ら口に運ぶと思ってたんだろう。

 しかし予想に反して兄さんは――なんの躊躇いもせず、森永さんが差し出したスプーンをそのままパクリとくわえた。

「?!?!?!?」
「……うーん、思ってたより甘くはねぇけど……そっちの、茶色いのも一口食わせろ」
「ふァ?!は、はいっ!!」
 顔が真っ赤になった森永さんが、わたわたしながらチョコのアイスを掬い、
「あ」
 今度は口を開けて待っていた兄さんに、ゆっくりとスプーンを近づける。
「ん」
 パクリと差し出されたスプーンをくわえ、一言。
「……こっちは見た目通りに甘めぇ。お前ら、よく平気で食べられるな。前世アリかなんかじゃねーの」
 そういって兄さんは立ち上がった。
「兄さんどこ行くの?」
「口の中が甘ぇからコーヒー煎れてくる」
 兄さんが部屋から出て行くと同時に、森永さんが仰向けに畳に倒れた。
「森永さん?!」
 慌ててテーブルの反対側にまわり、顔を覗き込む。すると彼は大きな手で顔を隠していて、ほんのちょっとしか顔がみえなかった。そしてその見えている顔の色は、熟れたトマトもびっくりするほどの赤い色をしていて。


「……生きてる?」



「……死ぬかと思った……」



 小さな小さな声が、手の隙間から漏れ聞こえた。



 うん、かなこも見ていてドキドキしちゃった。
 あの兄さんが、家族以外の人にあんなに甘えた行動をするなんて。
 多分、というか絶対に本人は無意識なんだと思うけど、つまりそれは、兄さんの中で森永さんというのは無意識に甘えられる存在なのであって――。


 
「森永ぁ!運ぶの手伝え!」

 廊下の奥から兄さんが森永さんを呼ぶ声がした。

「は、はい!」

 慌てて飛び起きた森永さんの顔はまだ赤かったけど、やっぱり幸せそうな顔をしていた。
 私の頭をくるりと一撫でし、「ちょっと行ってくるね」といって出て行く。



 うーん。羨ましいぞ、あの二人。



 甘くて甘くて、幸せそう。



 かなこにも幸せをお裾分けしてもらいたいから、二人のアイスこっそり食べちゃお。



 さっき食べさせてもらったのよりも、とびきり甘く感じるに違いないから。






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