君が大事

 ミナトさんとのリンク記事をあげた日、お客様数の増加っぷりに画面を二度見しました(゚д゚)これがミナトさん効果なのですね……!こんなところまでご訪問いただき、本当にありがとうございます。少しでも和んでいただけていたら幸いです。

 つい最近のことですが、暴君ブロガー様たちがTwitterをされてらっしゃるとお聞きして、今更ながら手を出しました。するとまぁなんと素敵な会話が繰り広げられていることか。覗き見はマナー違反だと思うのでちゃんとご挨拶してフォローさせていただきたいものの、当方スーパーヘタレなためなかなか動け(以下略
 ウチの近所では取り扱いがないようですが、勇気ってどこに売ってるんでしょうか。九州にはないんですよねぇ。


 以下、前々回の記事に鍵付きでコメントを下さった方へのお返事になります。

  5月9日にコメントを下さったお客様
 お優しいコメントをありがとうございます〜\(^o^)/とても嬉しかったです。
 ではお言葉に甘えて!と張り切ると調子にのりそうなのでw、読んでくださる方が読み疲れをしない程度で書いていく所存です!


  5月10日にコメントを下さったお客様
 初めまして!そこに注目してくださってありがとうございます(´ω`人)
 自分が森永君だったら思考回路が停止しそうなほど威力のある発言だと思ってます……。

 


 今回のお話は、上記のとおりウダウダな気分だったので、いつも以上にほっこりを目指しました。兄さんからの「あーん」、第3弾(既にネタ切れ)です。
 

 それでは、よろしくお願いいたします。
 
 
 

 



「はい、お待たせしました。こちらのコートが2点、スーツが2点ですね」

「どうも」

「結構量があるけど大丈夫?大きい袋に入れるから、そこで待っててもらえるかしら」

「あ、すみません」

「スーツは出しに来てくれた背の高いお兄さんのものでしょうけど、このチェスターコートはお兄さんのよね?」

「チェ……?(なんだそれは)」

「このコートのことをね、チェスターコートっていうのよ」

「はぁ」

「ここのボタン、付け直ししたでしょ?とても上手にできてるわ」

「え」

「糸の色が微妙に違うからわかったけど、まぁよくよく見なきゃわからないわね」

「あ、はぁ(確か森永が付け直してたような)」

「(ははーん)長くクリーニング屋をやってると、出された服から人柄とか生活の様子がわかるんだけど、」

「……(探偵か)」

「このコートとスーツはとても丁寧に着られてるわねぇ」

「……(まぁそのチェスなんとか以外は全部森永のものだけどな)」

「お兄さん、」

「はぁ」

「大事にされてるわね」

「え」

「はい、じゃあこちらにまとめましたよ。持てるかしら?(仲良くやんなさい)」




 玄関のドアが開く音がした。続けて、何か袋が擦れる音と、それが床に置かれる音。
 こうして横になっていると、いつも以上に音に敏感になってしまう。
 廊下を歩く軽い足音が聞こえてきた。そしてこの部屋の前で足音が止まり、そっとドアが開かれる。
「——お帰りなさい」
「おうただいま。なんだ起きてたのか」
 愛しい先輩の声がするけど、横になっているこの体勢では顔を見ることができない。なので起き上がろうとすると、
「馬鹿、起き上がんな。寝てろ」
 そういって、ヒョイと先輩が俺の顔を覗き込んできた。
 あぁ、なんて麗しいお顔。キスしたい。
「クリーニング取ってきたぞ」
「ありがとうございます、重かったでしょ?」
 よいしょと身体を起こそうとすると、頭を押さえつけられた。
「だから寝てろって。とりあえずお前の分はここにかけとくから」
「すみません、お願いします……」
 もう一度枕に頭を落とし、ベッドの上から先輩を仰ぎ見る。
 どの角度からみてもカッコイイなぁ……。
「お前、熱は」
「あー、さっき計ったら37.8℃でした」
 約38℃じゃねーか、と渋い顔で先輩が呟く。
 そんな顔ですら愛おしいなぁ。
「お前、さっきから気持ち悪いこと抜かしてんじゃねぇぞ」
「あれ、口に出してました?」
「無意識かよ……」
 呆れ顔の先輩が視界から消える。ガサゴソと袋の擦れる音がするから、クリーニングのカバーを外しているのだろう。
 再び先輩が顔を見せてくれたとき手にビニール袋をもっていたから、自分の推測が正しかったことを知る。
「後でおかゆ作って持ってくるから、おとなしく寝てろよ」
 え、先輩おかゆ作れるんですか。
「だから口に出てんだよ」
 通常ならここで拳骨の一発でも落ちようなもんだが、さすがに今日はなかった。殴られたいわけではないけど、こう、触れあいがないとどこか寂しいもので。かといって今のこの体調で先輩にじゃれつく元気は、ない。
 

 先輩からキスの一つでもしてもらえたら、風邪なんか一発で治りそうなもんだけどなぁ。

 
 もしかしたらこの発言も口に出てたかもしれないが、既に先輩は部屋を出て行ったあとだったので耳に入る心配はなかった。何より風邪をうつすような行為は厳禁だから、さすがにそれは自重するけど。
 ドアを一枚挟んだ向こうで、僅かに物音が聞こえるのに安心する。この家にいるのは俺一人じゃない、先輩もいるんだってわかるから。
 もしかして先輩誰かと電話してるのかな……声が聞こえるような気がする。
 それともそれは、俺が先輩を恋しく思うあまりの幻聴か。



 いつの間にか眠っていたらしい。
 人の気配で目が覚めた。

「あ、悪い。起こしちまったな」
 目を開けると天使の顔があった。違った、先輩だった。
「おかゆ作ったけど、今食うか?」
「あ、はい、モチロン!」
 やや食い気味で答えると、ちょっと待ってろといって先輩が部屋を出て行った。そしてほどなくして運ばれてきたお盆に載せられていたのは、小振りの土鍋と梅干の入った小皿。てっきり身体を起こした俺の膝にお盆が載せられると思いきや、お盆はベッドのサイドテーブルに置かれる。
「?」
 先輩が土鍋の蓋を取ると、ふんわりと湯気が立ち上った。蓋を置いてレンゲに持ち替え、軽くかき混ぜて一掬い。ふうふうと息を吹きかけて熱を冷まして――
「ほら、口開けろ」
 先輩がレンゲを差し出してきた。
「へ?」
「熱いから気をつけろよ」
 キョトンとしてレンゲと先輩の顔を見比べてしまった。なんの嬉しい冗談かと思ってしまうけど、いたって先輩は真面目な顔つきで
「卵とか入れたほうが良かったか?」
「?!い、いえ、白がゆ大好きですッ!」
 そんな勘違いされて引っ込められては困るので、慌てて目の前(口の前)のレンゲを頬張った。そして
「ぅあっち!!」
「馬鹿かお前は!!」
 はふはふと咀嚼して、先輩の手渡してくれた水で流し込む。そして再び急いで口を開けた。先輩の気が変わらないうちに、最後まで食べさせてもらわなくては!
「なんだお前、腹減ってたのか」
 さっきよりも長めに息を吹きかけて、レンゲを差し出してくる。
「ほれ」
「ん」
「食える味になってるか?」
「最高に美味しいですよ。先輩、料理できるじゃないですか」
「……さっき松田さんに電話して作り方教わったんだよ」
 ほら口開けろ、とレンゲを差し出され、パクリ。
「なんか雛に餌やってるみたいだな」
「チュン」
「こんなクソでかい雛なんていてたまるか」
 口ではそう言いながらも、俺におかゆを食べさせてくれる手つきはとても優しい。
 正直、熱で口の中が不味くなっているので味はよくわからないのだけど、俺にとって最高のご馳走であることに間違いない。鏡を見なくてもわかるけど、俺は今、相当だらしのない顔をしていると思う。
「もしかして熱上がったか?なんかポヤッとした顔してんぞ」
 梅干しを崩しながら、先輩が訝しげな視線を送ってくる。熱なんて先輩がおかゆ食べさせてくれたときから上がりっ放しです、なんて言ったら自分で食えって言われそうだから、余計なことは言わないようにする。 
「俺、大事にされてるなぁって」
 そういうと、たちまち先輩の眉間にシワが寄り、難しい顔になった。口元はへの字になってるけど、耳がほんのり赤くなっているのを俺は見逃さない。極めつけに、俺がにひゃっと笑うと、頬に赤みが差したから、
「ありがとうございます、先輩」
 心を籠めて、そう語りかける。
「……そんだけ喋れるんだったら自分で食うか?」
 そんなつれないこと言いながらも、手元のレンゲを離さない先輩が可愛らしくて。
 あーんと口を開けると、慎重な手付きで口元にレンゲを近づけてくれる。
「おかゆってこんなに美味しいんですね」
「そりゃよかったな」
「風邪治ったら、先輩の好きなモノたくさん作りますからね」
「じゃあさっさと治せ」
「うん」
 そして差し出されたレンゲをパクリ。

 風邪ひいて身体は辛いけど、心はこんなに幸せだ。
 早く治して感謝の気持ちをいっぱい伝えなきゃ。
 もちろん、松田さんへの連絡も忘れずに。

「熱のせいか知らんが、いつも以上にだらしねぇ顔だな」
 あなたのおかげです、と心の中で呟く。


 俺を大事にしてくれてありがとう。


 口に出したつもりはなかったけど、しっかり先輩の耳に届いてたようで。


「馬鹿なやつ」


 とほんのり赤い顔で、甘く呟かれた。




 
 



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