あなたがいない日常なんて 8 more

 あっという間の7月ですね!もう今年も半分が過ぎただなんて信じられません。ていうか信じたくありません。
 そしてあと5日で森誕だなんて更に信じられません。準備が間に合いそうにもありま……せん。。。

 以下、前回の記事に鍵付きでコメントを下さった方へのお返事になります。
 
  6月27日にコメントを下さったお客様
 ありがとうございますー!少しは私のカラー(もちろん青で)が出せていたでしょうか。王道ネタは難しいものの、やはり一度は書いてみたいという欲求がございまして。。。しかしやはり難しいです(°_°)今後も精進いたします!


 さて、今回のお話は前回までの連作のおまけ話、てゆーか8で省いたエロです(直球)。森誕の準備を~、と焦る気持ちから逃げた先はエロでした。しかし書き上げて思うのですが、あまりエロくない……。なので、がっつりエロをご期待の方にはがっかりさせてしまうようなエロクオリティですが、まぁそこは私ですので!(開き直り)個人的には、8で回収できなかった伏線をこちらで回収でき、兄さんに言わせたかったセリフも書けたことで、やっとお話が終われたなぁと思っています。
(直前のお話はこちらからどうぞ→


 ではでは、以下は大人のお姉さまで長文駄文に付き合っていただけるほどスーパー心の広い方のみ閲覧していただければ幸いです。
 よろしくお願いいたします。







 一昨日まで離れることを決意していた愛しい相手から
「来い」
 なんて男前なこと言われたら、

 理性がぶっ飛んでしまうのなんて当たり前なわけで。



「ぅぐッ!……ゲホッ、ちょっ、おま、馬鹿か!本当に飛び込んでくるやつがあるか!」
「無理無理無理無理……好き、大好き、超好き、ダイスキ」
 薄手の掛け布団越しに、愛しい人をぎゅうぎゅうに抱きしめる。そして顔中にキスの雨を。
「んッ、ふ、あ、ッ」
 額、瞼、鼻筋、頬、顎先、そして唇と、余すことなく口付けて、でも口付けるだけじゃ物足りないから、舌を出してチロチロと唇を舐めてみた。
「ひゃっ!」
 思わず出た可愛い反応に気を良くして、そのまま顔の輪郭を舌先でなぞり、耳殻を舐る。
「あッ!や、やだって!も、ちょっとまてっ……!」
 顔を背けて逃げようとするけど、そうすると今度は美味しそうな首筋が目の前に差し出される構図になる。いますぐかぶりつきたい衝動をこらえ、耳元で囁いた。
「せんぱい……すきです。ね、俺、せんぱいが欲しいです……せんぱいは俺のこと欲しい?欲しがってくれる?」
 我ながら興奮して情けないほどの掠れ声になってる。なので聞き取りにくいはずだから、耳に唇をつけて直接中に言葉を注ぎ込んであげた。びくんと身体が反応したのを感じて、ちゃんと聞こえたことを確信する。しかし二人の間にある掛布団が邪魔で、その可愛い反応も中途半端にしか感じ取れない。
「ねぇ、返事して」
 ペロリと首筋を一舐めすると、再び宗一の身体が震えた。
「は、はっ……あ、あつい」
「え?」
「あっついんだよ!布団!あつい!」
「あぁ、ごめんね、そうだよね、あついし邪魔だよね」
 一旦身体を離して、邪魔で仕方なかった掛布団を剥ぎ取る。すぐさま宗一の身体に四肢を絡めると、先ほどまでは直接感じられなかった熱が心地よく伝わってくる。が、今度はパジャマが邪魔だ。
「ね、パジャマもあつくない?脱ごう?」
 返事を待たず、宗一のパジャマの前身頃に手を伸ばす。
「先輩は俺のパジャマね」
 そういって手首を掴んで導いてやると、おずおずとではあるがボタンホールに指をかけてくれた。嬉しくって眩暈がする。
 時間をかけて宗一がすべてのボタンを外し終えると(もちろん自分のほうはとっくに終わっていた)、軽く抱き寄せ額にキスを一つ落とした。
「ありがと、先輩。――今度は下を脱がせてほしいな」
「……は?はぁ?!」
「お願い、先輩。だってあついんだもん。……だめ?」
 お願い、と耳元で囁く。宗一は暫く固まったように動かなかったが、なにか意を決したかのようにがばりと半身を起こし、勢いよくバシンと腰を叩いてきた。
「おら、腰浮かせやがれ!」
「はぁい」
 しかし宗一が脱がせたのはパジャマだけで、
「もう、なんで全部脱がせてくれないんですか」
「それぐらい自分で脱がんか!」
「まぁ俺は全部脱がしますけどね」
 そういって身を起こして宗一の上に覆いかぶさると、一気に中のボクサーパンツごとパジャマを引きずり下ろした。
「なっ……!」
「――あぁ、ちゃんと反応してくれてる……嬉しい」
 宗一の中心は緩く勃ちあがっており、少しだけ先が艶めいている。思わず手を伸ばしかけたところ、おもいきり叩かれた。
「見んな触んな!」
「え、それはなんてご無体な――わっ!」
 いきなり宗一が肩を掴んで引っ張ったので、バランスを崩して倒れこんだ。必死で肘をつき、宗一を潰すことを回避する。
「あっぶなっ!」
 すると宗一がもそもそと下から這い出し、
「えっ」
 咄嗟のことに固まる自分を横から押して仰向けさせ、そのまま太腿の上あたりに跨るではないか。
「えっ、ちょっ、先輩?どうしたの?」
「……なぁにがちゃんと反応してる、だ」
 低い声で呟いたと思ったら、一気にボクサーパンツを引きずり下ろされた。
「わっ」
「――お前だってこんなになってんじゃねーか」
 そんなの宗一に確認されるまでもなく、自分がすでに臨戦態勢であるのは重々承知している。しかも宗一にみられてると思うと尚のこと膨らんでしまうのも仕方ない。
「あ、当たり前でしょ?!も、俺がどんだけ我慢……ていうかそんなに見ないで!」
「……なんでこんなにでけぇんだよ。馬か、お前は」
「観察しないで!見られてると更におっきくなっちゃうから!」
 なんだこの辱めは!思わず顔を両手で覆うが、あっさりとその手首を掴まれシーツに縫いとめられる。
「さっきまでの威勢はどうした」
 意地悪く宗一が笑う。いつもと視線が逆だからか、ベッドの上から見上げる宗一が凄く新鮮でドキリとする。あぁ、キスしたい。


 と、宗一が手首の拘束を片方だけ解き、ゆっくりと顔に手を伸ばしてきた。
 思わず目を瞑ると、一旦間を置いてから前髪に宗一の指が絡まり、そのままそっと前髪を梳かれる感触があった。あまりにも想定外の動きにそろそろと目を開けて見上げると、こんな状況であるのに頭上の宗一は驚くほど穏やかな顔をしていて、時折額を掠める指先がひどく優しい。普段の宗一からは想像もつかない表情と仕草に、ただでさえドキドキしているのに尚更胸が高鳴る。

「せ、先輩?どうしたの?」
 上擦り気味の問いかけは無視された。なおも手を止めない宗一に、ふと昼間のかなことの会話が思い出される。


『兄さんね、すごく森永さんのこと大切にしてると思うんだ』

 そう切り出してきたかなこは、ピンク色の携帯を揺らしながら(ストラップ代わりのお守りを見て、あぁ福岡の話を宗一にしたのはかなこだったのかと思い当った)、

『だってね、今朝まだかなこ寝てたのに「フレンチトーストの焼き方を教えろ」って電話してくるんだもん。あの兄さんが料理?!って眠気も吹っ飛んじゃった。しかも「森永はまだ寝てるから起こしたくない」って言うし。普段だったら森永さんのこと叩き起こしそうなものなのにね。兄さんなりに忘れちゃってたことを反省してるんだなって思ったし、“ごめんなさい”って何度も言うよりも森永さんが喜ぶことしてあげたいんだろうなって思ったら、もう兄さんが可愛く思えちゃった。あの兄さんがそこまでやるなんて、ホント森永さんのことを大切にしてるんだと思う』


 あの時のかなこの言葉を裏付けるかのように、宗一の指先は心地よくてあたたかい。そこから感じる愛情は、気のせいだと思わない。

「せんぱい、」

 返事はなかったけど、視線をあわせてくれた。

「キス、してください」

 そういって瞳を閉じると、ややあってから唇に柔らかい何かが触れた。すぐに離れてしまったけど、感じる吐息でまだ顔が近くに寄せられているのを感じたので、空いている片手を宗一の後頭部に回しそのまま引き寄せた。いつの間にかもう片方の手も拘束が解かれていたので、そちらは宗一の腰に添える。夢中になって唇を合わせていると、何度も角度を変えて口付けいたせいで(もちろん自分が)、いつの間にか互いの身体が180度入れ替わって宗一が下にきた。
「せんぱい、口、あけて」
あまり躊躇う様子もなく口を開いてくれたので、遠慮なく舌を差し込む。くちゅくちゅと水音を立てながら、宗一の口内を存分に犯す。寝転んでのディープキスは、深いところまで舌を入れられるのがいい。貪るように唇を重ね、僅かな息継の際に宗一が飲み込みきれずに顎を伝った唾液を、舌を見せつけるようにして舐めあげる。そしてまた唇に噛み付く。すでに下肢のお互いのものは完全に勃ち上がり、二人の腹に挟まれて粘ついた水音を立てていた。わざと擦り合わせるように動いてやると、宗一から息を詰めるような声が漏れる。
「は、は……気持ちい?」
 散々吸って赤く色付いた唇を解放し、肘をついて顔を離し焦点を合わせた。見ると宗一の目元は既に潤んでおり、眦には涙の粒がいまにも零れ落ちそうなほどたまっている。しかしさきほど見せていた穏やかな表情から一転、その眼差しに甘さなど一切含まれていない。
「お、まえ、無茶苦茶すんなよっ!息できねぇだろ!」
「ごめんなさい……愛おしすぎて抑えきれなくて……先輩、久しぶりすぎて息継ぎの仕方忘れちゃった?」
「死ね」
 そんな可愛くないことをいうけど、自分にとっては宗一とのやりとり全てが愛おしい。先ほど我慢した首筋に舌を這わせ、鎖骨下の柔らかい皮膚を何箇所か強めに吸い上げる。ここ一ヶ月近くも自分のモノである印のなかった身体にマーキングをしなければ。もちろん、下肢と同様にぷっくりと勃ち上がっている胸元の可愛い蕾にもキスを落とす。舌で捏ねて優しく歯をたててあげれば、本人からすると甚だ不本意であろうが、宗一が甘い声で啼いた。
 あぁもうたまんない。ちょっとの刺激だけでも感じてしまうほど両の突起を敏感に仕上げ、再び宗一の唇に食らいついた。
「ふ、はッ……ん、ん」
「ん……すき……せんぱい、せんぱい」
 片手を下方に伸ばし、互いのそれを握る。そこはもうどちらの体液かわからないほど濡れていて、いまにも破烈しそうなほど膨張している。このまま手で擦り合わせたら、きっと二人ともすぐ達してしまうだろう。それぐらい、お互いを欲していることが明らかだから。
「せんぱいの中に、入りたい」
 身体を起こし、宗一の片足を肩に担ぐ。宗一がまるで射殺さんばかりに睨んでるけど、ぽってりと赤くなった唇と涙と情欲に濡れた瞳との相乗効果で、萎縮するどころかより興奮するというものだ。
 気は急くものの、久しぶりの行為で宗一を傷付けることのないようじっくりと慣らさなければ。
 互いのが混じり合った体液で指を濡らし、後ろに這わす。秘部の周りをくるくるとなぞり、緊張が緩む一瞬を待つ。
「や、やぁ……ッ」
「ごめんね、嫌がってもやめてあげらんない。せんぱいと繋がりたい、俺を受け入れてほしい」
 太腿の内側を撫でると、少しだけ強張りが解けた。その瞬間を見逃さず、まずは一本。
「ぁ……ん」
「ん、ゆっくり慣らすから……」
 二本、三本と指を増やし、宗一のいいところを触らないようにくちくちとそこを拡げる。受け入れてもらえるのには、まだキツイか。
「も、いいだろ……ッ」
「いや、もうちょっと解さないと……あ、もう、そんな締め付けないで!」
 中でバラバラに動いていた指が、甘く食い締められる。この感覚を自分のもので体感したら、どれほど気持ちがいいだろうか。考えるだけで、一段と下半身が熱を帯びる。堪えきれなくなって指をゆっくり引き抜いた。かすかに漏れた宗一の吐息が色っぽすぎて頭が焼き切れそう。
「じゃあ……先輩、うつ伏せになりましょうか」
「……やだ」
「でも久しぶりだから先輩の身体の負担が――」
「いいからって!」
 あぁ、そんな真っ赤になって顔を逸らさないで。
 それじゃあ先輩がうつ伏せを拒否した意味がなくなっちゃう。
「わかりました――先輩は俺の顔を見ていたいんですもんね」
「はぁ?!そんなんじゃ」
 宗一が言葉を言い終える前に先端部分で入り口をくちゅくちゅと刺激する。
「っ……!」
「力抜いてね」
 一旦降ろしていた宗一の足両腕に抱え込み、膝裏に手を添える。ゴムを付けるなんて余裕はなかったし、今日はナマでしたかった。
「いくよ」
 様子をみながらじわじわと腰を奥に進め、自身を宗一の身体に埋め込む。そこはすでに自分のカタチを覚えてくれているので、まるで最初から自分を受け入れてくれる場所だったかのように温かく包み込んでくれる。しかしやっぱりまだキツイ。ゆっくりゆっくり、時折軽く揺さぶってその結合を深めていく。
「んん……ッ……」
「せんぱい、息してね、大きく、ゆっくり……うん、そう力抜いて……」
 時間をかけて楔を打ち込む。全部をおさめたときは、久しぶりの感覚にすぐにでも果ててしまいそうなほどだった。嬉しくて嬉しくて、みっちりと繋がった部分に指を這わせる。
「先輩のここ、俺を一番奥まで受け入れてくれた……」
「へ、変なこというな……っ」
「変なことじゃないです。先輩の全てが愛おしすぎてどうにかなりそ」
 
 だから、

「……ごめんね、先輩。俺もう離れてあげられないや……」
 そう呟くと、通常の威力の1/100倍のパンチが飛んできた。
「あう」
「……勝手なこと言ってんじゃねぇよお前は」
 そういってグイと抱きしめてきたものだから、なかの角度がかわって宗一が嬌声をあげた。それを合図に腰の律動を開始すると、驚くほど早くお互い果てた。もともと挿入前から二人とも限界が近かったし、久しぶりの行為が良すぎたせいもある。
「はっ、はっ……こんなに早いの、初めてかも……」
 整わない息のまま、組み敷いている宗一を見下ろすと、放った熱の余韻が残った眼差しでこちらを見上げていた。引き寄せられるように口付ける。
「ごめんね、まさかこんなにすぐイっちゃうなんて……ちょっとは気持ち良かった?」
「み、みりゃわかるだろうよ……」
 どこか拗ねた口調が可愛くて、微笑みを浮かべたままキスを落とす。
 片手を腹部に伸ばし、宗一の腹筋に溜まった白濁を一掬いする。目の前に持ってきて色を確かめ、パクリと指を咥えた。
「なっ?!何やってんだお前はっ!」
「……ん~、濃い。先輩、この一ヵ月抜いてなかったでしょ」
「ッはぁ?!馬鹿だろお前!」
「うん、俺は巽宗一馬鹿です。きっと一ヵ月触ってあげてなかったんだろうなとは思ったから、俺と繋がったときにイってほしくて」
 口で受けて全部飲み干すのもいいなと思ったんだけど、と続けると、このド変態が!と真っ赤な顔で睨まれた。
「へへへ。だって――俺と気持ちいいことしてるんだよって、二人だから気持ちいいんだよって、身体にも思い出してほしくて」
「……もうお前のことは思い出したっていっただろうが」
「……うん」
 宗一がだるそうに腕を伸ばし、頬に触れてきた。その手首を掴んで、掌に口付る。
「先輩、好きです」
「……わかってるよ」
 小さく小さく呟かれた言葉は、しっかり耳まで届いた。掴んでいた手首を開放し、ゆっくり覆いかぶさる。当然のように宗一が腕を背中に回してくれるのが嬉しい。
「……傍に、いたいです」
「……」

 返事はなかったけど、今までの宗一の行動を思い返す限り、自分が大切にされていることは百も承知だ。さっきの欲しがってくれるかどうかの返答もないけど、言葉がなくとも身体が十分答えてくれた。これが意地っ張りで照れ屋な恋人の精一杯の愛情表現だってわかってる。

 押し黙ったままの唇に、愛情を込めて口付けようとしたところ
「おい」
「ん?」
「ちょっとどけ」
 そういって宗一がグイと肩を掴んで押しやる。そのまま自分も起き上がろうとするものだから、
「ま、まって先輩!まだ抜いてな――」
 まだ自分のものは宗一の中にある。一度精を放っても硬さを保ち、実は今にも動きたくてうずうずしているのだ。宗一が辛かろうと思って我慢していたのだが、
「そのままでいいからっ!手ェ貸せよ!」
 え、え、と大いに戸惑いながら、宗一が身を起こすのを支える。繋がったままそういうことをされると――ちょっ、この体勢はもしかして――
「んんッーーー!!」
「せ、せんぱい……!」
 自重でより深いところまで届いたのだろう、自分の上に乗っかった宗一が過ぎる快楽を逃そうと必死に抱きしめてくる。
「ぁ、ふッ……」
「足、こっちに伸ばして、そしたらもうちょっと楽な姿勢に……ッ、ん、上手」
 宗一が無意識に締め付けるので何度か気をやりそうになりながらも、ちゃんと繋がったまま正面から抱き合う体位にもってこれた。宗一から対面座位を求められるとは思わなかったから、
「どうしたの、急に……もちろん俺はすごく嬉しいけど……」
 まだぎゅうぎゅうにに抱きしめてくる宗一を抱きしめ返しながら、今にも動ぎたがる自身の腰を必死に律する。宗一のなめらかな背中を撫でながら、落ち着くのを待つ。
「ッ……はぁ……この馬鹿森永」
「うん、先輩が大好きな馬鹿森永です」
「一度しか、言わないからな、ちゃんと、聞いとけよ……ッ」
 そういって、宗一が耳元に唇を寄せる。


「俺がお前のことを忘れるなんてことは絶対ない。どんなに時間がかかっても、絶対に思い出す。もし思い出したとき隣にお前がいなかったら、横でヘラヘラ笑ってなかったら、地の果てでもお前を探しだしてぶん殴ってやるからな」

 だから勝手に離れるな。

 そう言って、ぎゅっと抱きしめてくれた。

 
 あぁ、だから先輩はこの体勢になったんだ、と遅まきながら気付く。密着度が高いから、触れあっているすべての箇所から互いの体温が感じられて心地いい。互いの熱も、鼓動も、愛しいと想う感情も共有できて、涙が出そうなほど心が満たされる。

「お前今日泣きすぎじゃねぇの」
 実際に涙が出てたらしい。
「安心したのと、嬉しいのと、幸せなのと、なんか色々ごちゃごちゃです……」
 そういって、宗一のいうヘラヘラした顔で微笑んだ。すると少しだけ宗一の口の端が上がったから、思わずなかのものが大きくなる。
「あッ!ちょっ……!」
「ご、ごめんなさい!ときめきました!」
 思わず目を瞑ってしまった宗一の瞼にキスを落とし、額をくっつける。
 そして心からの言葉を。


「先輩、」
 
 呼びかけにこたえて開いてくれた目を見つめて


「あいしてます」


 その言葉を、宗一は即座に否定もせず笑いもせず、きちんと受け止めてくれた。
 そしていつものように眉間にシワを寄せながら、ただし真っ赤な顔で

「わかってるっていってんだろ、馬鹿」




 その後はどちらからともなく唇が重ねられて、その口付は次第に深くなっていく。

 そこからはもう会話なんて必要ないぐらい、お互いの愛情を享受するだけだった――






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